2009/03/31

New Distro Items: 3/31 - Rebel Scene

旧ソ連・ベラルーシのアナキスト・パンク/ハードコア・レーベル (コレクティブ) "Rebel Scene" の全作品が入荷。現在、Acclaim Collective がもっともフィーリングが合うと感じているクールなレーベル (コレクティブ) です。全作品すべてが素晴らしいんでこの機会にぜひ触れてみてください。

ちなみに、最下部にある Rebel Desire の現在制作中の第3号に、われわれ Acclaim Collective のインタビューが掲載される予定です。2号まではロシア語版だけでしたが、この3号から英語版も刊行されます。完成したら、また告知します。

"Rebel Scene & Rebel Desire #2" on Our "Punks Against G8" Blog

music is our weapon
(音楽は俺たちの武器だ)
texts are our bullets
(テキストは俺たちの弾丸だ)

BAGNA / SKARPRETTER - "We don't want your fuckin' borders" split 7” (Rebel Scene) ¥450

" Release of this record was delayed for more than half a year. After the eviction of Ungdomshuset some members of Skarpretter together with more than 250 people were thrown behind bars and were kept there for more than 3 months. After their release from jail they recorded the amazing “Ammunition” EP, and now we made this split. On this vinyl: punk rock by Skarpretter (with members of Paragraf 119), energetic and really angry as always, with distinctive and sincere vocal. Bagna from Belarus with members of Contra La Contra. Great d-beat crust hardcore, sometimes fast, sometimes not, with driven melodic and raw guitars. Difficult to compare with anything, but to get the idea mix from ashes rise and Schifosi. The cover includes lyrics, columns about situation in Denmark and Belarus and a poster. " - Rebel Scene

Bagna:
www.myspace.com/bagna
Skarprette
r: www.skarpretter.com

THE ASSASSINATORS - Sigt Efter Hjertet LP / CD (Rebel Scene) ¥1,000 / ¥900

" Melodic lyrical punk rock from Copenhagen with catchy riffs and very beautiful
female voices. 32 page LP sized booklet with 12 politically-poetical lyrics and comments. " - Rebel Scene

The Assassinators: www.myspace.com/theassassinators

ICTUS - Imperivm LP / CD (Rebel Scene) ¥1,000 / ¥900

" Oh hell!
New record by this band from Galicia, Spain, with members of Madame Germen, Сop On Fire and Disappointment. It’s a one track album – 38 minutes of dark apocalyptic hardcore, harmoniously and excellently mix with crust and metal, with big portion of beautiful and thrilling melodies. And crying lyrics about destructive world politics of the USA. With their music they pave their own way in punk rock, the way filled with despair and anger! This record as the previous ones is a soundtrack of my life. " - Rebel Scene

Ictus: www.myspace.com/ictuscore

REBEL DESIRE #2 zine (Rebel Scene) ¥Free

Rebel Scene の雑誌刊行部 "Rebel Scene Enemy Dreamers' Collective" から刊行のアナキスト (パンク) ジャーナル "Rebel Desire" の第2号。日本のパンクスにも大人気のデンマーク・コペンハーゲンのポリティカル・メロディック・パンク/ハードコア "The Assassinat
ors"、アメリカのアナキスト・コレクティブ "CrimethInc." のインタビューを始めとして、その The Assassinators も拠点にしていたスクウォット/コミュニティ・スペース "Ungdomshuset" の強制排除から最終決戦までの記録 "Copenhagen On Fire"、そして、2007年のドイツ・ハイリゲンダムでの反G8レポートなどで構成された全94ページ。プロ印刷。

* すべてロシア語なので、ご希望の方に無料で差し上げます。

2009/03/30

Acclaim Collective (A) Website復帰

本チャンのWebsiteが復帰しましたので、こちらの方もまたよろしくです。

でも、最近飽きてきたんで、新しいのつくろうかな〜、カートも導入したいけど、それで売れんのかな〜 などいろいろ思案中。


Acclaim Collective (A) : acclaim.nomasters.com

No Slogan Japan Tour 2009 in 松本

メキシコ系移民の多いシカゴの貧民街サウスサイド地区で、Pretentious Assholes, I Attack, Los Jodidos のメンバーらによって、2002年後半に結成された No Slogan の日本ツアーが4月に行われる。様々な音楽的バックグラウンドを持っていた彼らのサウンドは結成当時に目指していたように、80年代初期アメリカ中西部で活動していた Toxic Reasons, Zero Boys, Naked Raygun, Articles Of Faith, The Effigies といったバンドを想起させる。そして右翼的傾向にあるアメリカとアッパー/ミドルクラスへの批判、地元の仲間が直面している問題をテーマに歌う姿はパンクの初期的衝動に溢れていて力強い。99年に立ち上げた Southkore というコレクティブも健在でメンバー自宅の地下室 - Ranchos Huevos でプレイした日本のバンドも多いだろう。2006年と2007年にはアメリカでも初の "スペイン語を話すバンド" をアメリカ全土、カリブ海から集めて大規模なフェスティバルを行っている。ツアー直前の4月初旬には、アメリカの Residue records がリリースしたばかりのファーストアルバムに extra track を加えた "Aversion Therapy" 日本盤CDが Persona Unknown よりリリースされる。No Slogan は自らを "pro-Paiza, kill whiteny band - バカをやるの大賛成、白人社会を殺せバンドだ" と言う。

Persona Unknown presents

NO SLOGAN JAPAN TOUR 2009

"La muerte del sueño americano - アメリカンドリームの死"


DATE: Sat April 18th

LIVECAFE TONE, Matsumoto

17:30 START 1500YEN


NO SLOGAN (Chicago, USA)

http://www.myspace.com/noslogan

ADRENALINE

BONKERSBOOT

DESPERADO

SECOND CLASS

SELFISH WIFE

WxAxDxA

ZAGIO EVHA DILEGJ


and more..

DISTRO:
ACCLAIM COLLECTIVE

http://acclaim.nomasters.com
http://acclaimcollective.blogspot.com
FACE TO FACE

http://superme.kt.fc2.com

INFO: 090-1867-1155

degajikai@nomasters.com
http://nomasters.com/de

NO HUMAN IS ILLEGAL! (不法な人間はいない!) MRR#283 "migrapunk" Issue

http://nomasters.com/NsQ&A-web.jpg

Persona Unknown

http://www.myspace.com/personaunknownlabel

LIVECAFE TONE 0263-34-6670

松本市大手4-2-19 (ナワテ通り)

2009/03/29

Khatarina Lyrics from the Demo, "s/t" 7", 12"

Khatarina 関係の更新が続きますが、今回は、Demo、7"、12" より3つの歌詞を紹介。

わたしは彼女らの最初の7"をリリースしたとき、歌詞を受け取った際、歌詞を読む人には「楽しんで読んでほしい」というメッセージを受け取りました。そのとおりというべきでしょうか。本当に彼女らの歌詞からは「楽しんでるだけなのよ」という意志がひしひしと伝わってきます。

この社会には、闘わずして楽しめることもたくさんありますが、闘わないと楽しめないこともたくさんあります。そうした選択をしなければならない社会がすでに間違っていますが、彼女らはあきらかに後者を選んでいます。

だからこそ、彼女らは「楽しんでるだけなのよ」と正々堂々言えるのかもしれません。しかしながら、彼女たちは「闘うこと」のみを賞賛しているわけでもなく、またそれを人に強制してるわけでもありません。なにが正しくて、なにが間違っているかは人によって違います。わたしは、彼女らの歌詞には、自分たちの言葉に対する迷いもあると感じています。そして、「楽しんでるだけなのよ」といちいち言わなければならないもどかしさも感じます。

彼女らは選ばれし「強い女性」であるというわけではまったくありません。ということを念頭においた上で、彼女らの歌詞の魅力をたっぷりどうぞ。

Break the chain / 鎖を壊せ


始めから弱い心に形作られる
それは永遠に進んでる
今こそ止めるときだ

鎖を壊せ
鎖を壊せ
鎖を壊せ
鎖を壊せ、奴らに従うな

奴らは権力を持っている、奴らは支配しようとしやがる
絶え間なく続いてる、父親から息子まで
もう奴らの好きなようにさせるな

From demo (2005)


Windbreaker / ウインドブレーカー


ダメですか - 飲んで、踊ること
ダメですか - 飲んで、歌うこと
ダメですか - 飲んで、話すこと
ただ馬鹿みたいに酔っぱらうのはダメですか

すべての制限を壊せ
どこにも適合せず
飲んだくれて無秩序に
堂々と堕落しろ

この通り
こういうことさ
工場からのカウボーイ
孤独な主婦

気分がメチャクチャ悪い
道ばたで目覚めるし
給料は無駄に使われるし
娘は私を家に持ち帰るし

From "s/t" 7" (2006)


Troublemaker / トラブルメーカー


あんたは彼女のマナーを教えてやろうとすることができるよ
あんたは彼女を振舞わせてやろうとすることができるよ
でも、彼女はただあんたを見てるだけ
はにかみながら言ってるさ
「てめえなんか知らねえ」って
彼女はかわいくて純真無垢に見えるよ
でも、ちゃんとこのことを学んだほうがいい
彼女のやり方に疑問を持つ勇気があるならな
彼女は地獄からのトラブルメーカーになるさ
地獄からのトラブルメーカー
あんたは彼女のことをうまい具合に話そうとすることができるよ
あんたは彼女の道理を説いてみることが
できるよ
でも、彼女は作り笑って見てるだけ
そして、こう言ってるさ
「パンツの中の役立たずめが!」ってな

From "Älä Epäröi, Vaan Äpäröi" 12" (2007)

Japanese translations by Acclaim Collective

2009/03/26

Khatarina "Little Girls Never Say No" 7": Out Now

Khatarina の2ndシングルに当たる "Little Girls Never Say No" 7" が既にリリースされています。Acclaim でディストロする分はこれから入荷するので、とりあえず2つのレビューを転載。

おそらく彼女らもこの7"をジャパン・ツアーに持ってくると思うので、その際にたぶん入手できるかな。でも、かなりの少数プレスのようで、既にレーベル側でソールドアウトになっているところもあり (この7"のリリースには3レーベルが参加していてその内の1つ)、ちょっとあやしい・・・

今のところ日本では友人がやっているレーベル/ディストロ "Reset Not Equal Zero" で入手できると思うんで (まだストックがあれば)、よければここで。


Khatarina - Little Girls Never Say No 7"


" フィニッシュオールフィメールフェミニストロウ D-beat ハードコアバンドのセカンドシングル。デモ~EP~12インチへと確実に良い進化を続けてきましたが、このセカンドシングルはかなり良いです。ノイジーなドタバタ D-beat が炸裂しています。1曲目は確実にと言うか全体的に Anticimex 的な雰囲気を醸し出しています。音作りも相変わらずかなりラフで素晴らしい。しょぼいギターソロも、コーラスワークも必聴です。全8曲入り。超オススメ盤!! 4月の日本ツアーも期待大です。 " - Reset Not Equal Zero

" New 7" by Finlands very own (Riot) Grrl D-Beat´ers..., the follow up to their previous LP and 7" includes 8 new Tracks of raw and pounding D Beat assault imagine BIKINI KILL do DISCHARGE or DISCLOSE but way better recorded ;) - Two singers and a powerful Guitar... - raaaging! " - Ruin Nation Records


Released by:


Deaf Forever: www.myspace.com/deafever

Campary Records:
www.bundschuhfanzine.de/campary-rec
Topless

2009/03/23

考えればテロリスト、殺せばヒーロー - El Libertario

埋もれたままになっていたアナキスト関連アーティクルのご紹介。

今回紹介するこの "Terrorist for thinking hero for killing" (考えればテロリスト、殺せばヒーロー) は、ベネズエラ・カラカスの Anarchist Commission of Relations (アナキスト関係委員会) によって、2003年のイラク戦争後に書かれたものである。同年3月19日に、アメリカ・イギリスによって仕掛けられたイラクへの侵略戦争に対する抗議声明と言っていい。

彼らは、El Libertario という南米でもっとも活動的なアナキスト・ニュースペーパーを発行していることでも有名で、日本のパンクスにもおなじみの @patia NoDona MaldadLos Dolares といった同郷のアナーコパンク・バンドや、フランスの Fight For Your Mind 監修で彼らのためのベネフィットCDがリリースされるなど世界中のD.I.Yパンク/ハードコア・シーンとの親交も深い。

考えればテロリスト、殺せばヒーロー
"Terrorist for thinking hero for killing"

我々が言う「考えればテロリスト、殺せばヒーロー」というフレーズは、「我々に
敵対するものは誰であれ犯罪者だ」そして「我々のために盲目に闘っている人々」はこの国の英雄だ、という哲学のことを指している。
この哲学を持っているのは国家である。この言明は、国家に対して闘っている多くの運動を完全に不当なものにしている。自由・解放・平等を求めて闘うことは、自分が犯罪者だとか、ましてやテロリストだとかいうことを意味してはいない。国家は民族主義を利用して殺し屋を創り出す。自分の国 (そんなものは存在しないのに) への、国家を代表する国に対する、盲目の愛を民衆に植え付ける。国の間で紛争が生じたときに、従順な人々を送り込むことができるようにするためである。そうした人々は、自分たちが自由のため・正義のために闘っているのではなく、弾圧者の利権のために闘っているということを知らされることもない。そして、戦争が終わった後で、戦争で死んだ人々は、このありもしない大義の犠牲者とされる。だが、この同じいわゆる犠牲者達は、同時に、子供を殺し、若者を殺し、家族を殺しているのだ。何が、彼等を英雄扱いさせているのだろうか?

その一方で、闘争が、別種の闘争が創り出されている。これは、本当の大義を持っ
ており、支援するにたるだけの見解を持っている。この闘争は、権力側の利益のためではなく、民衆のため、世界のためのものである。弾圧者に対して向けられる拳である。この闘い・この大義は権力を維持している奴らに汚されている。奴らは、社会が我々を犯罪者・愛国主義の破壊者だと見なすようにしている。同時に、我々の理想を誰もが実現不可能だと考えるようにさせようとしているのである。だが、このことが真実だとするなら
、何故誰もが国家を破壊したいと思っているのだろうか?

最近の例では、米国がイラクに宣言した戦争がある。この戦争には、数千人の無実
の男・女・子供たちを殺害する大義などない。だが、ブッシュとその仲間であるブレアとアスナールは、こうした無実な人々をテロリスト呼ばわりし続けている。ブッシュが自分の国をそれ程までに愛しているのなら、ブッシュとその息子達は何故戦争で闘わないのだろうか? 何故、ブッシュは若い兵士達を自殺的任務を負わせて、戦場へ送り出すのだろうか? さらに、我々はテロリストとレッテル貼りされているのだ..... そう、結論を言おう。一つはっきりさせなければならない。自由・公正・平等を愛することがテロリストだと言うのなら、そして、殺し屋によって盲目的に殺されることをヒーローだと言うのなら、我々は最悪のテロリストで構わないのだ。

カラカス:アナキスト関係委員会 (CRA)
Caracas: Anarchist Commission of Relations

「アナ
キスト関係委員会」(CRA) は、カラカスを拠点とするリバータリアン (反権威主義) グループであり、活動は7年に及ぶ。当初より私たちは、この地を諸集団の連合にする準備として、国内のアナキスト個々人を結びつけ、その活動を調整するという計画を立てていた。この計画は、独特の著作グループを創り出すこととなった。私たちの活動の中で最もよく知られているものの一つは、El Libertario という新聞であり、この文章を書いている現時点で、第33号の発行準備をしている。この新聞それ自体は、コレクティブが持つ異質性を反映している。というのも、その紙面では、アナキズムが持つ有機的伝統を、リバータリアン=フェミニズムやアナーコパンクといったもっと現代的な形態で刷新しているからである。ベネズエラでは独立系出版物がないために、El Libertario はユニークなものとなっている。特に、助成金や広告の拒否・費用の自主管理がその特徴である。コレクティブの活動家は思想の普及のために本を書いており、例えば、ネルソン=メンデスとアルフレド=バリョタ(「ユートピアのビナクル:21世紀のアナキズム」)・ラファエル=ウサクテギ(「黒き心」- Heart of Ink)は、El Libertario に謝意を表している。私たちは、ベネズエラ全土とラテンアメリカ諸国、特にエクアドルとコロンビアに、同志のネットワークを構築してきた。こうした国々で運動のコミュニケーションを改善するために、私たちは様々な国際イベント (1998年にはコロンビアのボゴタで、2001年にはカラカスで) を組織したり、それらに参加したりし、グループと組織の要覧を作るといったイニシアチブを取っている。

コレクティブとしての CRA は、お互いに個々人の行動を支援することで、メンバーの関心事を力づけている。このようにして、ラ=グラン=サバナのペモネス (ベネズエラの原住民族)・オルタナティブなコミュニケーション領域・都市のパンクシーンと関係を維持しているのである。音楽バンド (Dona Maldad, @patia No, Los Dolares, Skalofrios) との相互支援関係も維持しており、こうしたバンドはアナーコパンク会議やカウンターカルチャー空間といったアナーコパンク文化を促進する活動を行ってきた。CRA のメンバーが行っている最も野心的なプロジェクトの一つは、政治的・文化的文芸結社「リバータリアン研究社会センター」を始めることである。このセンターはカラカス市を本部とすることになるだろう。ここには、ワークショップ・セミナー・常設展示会といったプロジェクトを行ったり、図書館を開いたりできるほど包括的な書誌学的財産がある。CRA は週に一度集まり、意志決定はコンセンサスに基づいてなされる。個々のメンバーは、ミーティングの時に論じ合いたい活動やポイントを提議できる。メンバーは19歳から86歳までいる。コレクティブは、様々な活動を組織したり、それらに参加したりしている。例えば、the International Libertarian Days (2001年12月、カラカス), Libertarian cultural fair, Platform 26 of September, Festival of Short Libertarians, Art, Philosophy, and Anarchism, Fair of the exchange などである。

さらに詳しい情報については、ellibertario@nodo50.org にメールするか、ウェブ
サイト ( http://www.nodo50.org/ellibertario/
) を訪れてほしい。

El Libertario # 55
Enero/ Febrero 2009

現時点の最新55号

2009/03/22

Khatarina / Screwithin / Unarm "Killer Blow" Japan Tour 2009 with Acclaim Collective

"Finnish Feminist D-beat Punk" ことKhatarina、"Tokyo 'Cop Hater' Hardcore" ことScrewithin、"Tokyo Crushing Peace Crusties" ことUnarm、そして当方 "Tokyo Anarcho-Punk Collective" ことAcclaim Collectiveの共同主催 "Killer Blow" Japan Tour 2009 (別名ジェンダー破壊ツアー!) が後2週間を切った。

今回、このツアーは、Screwithin、Unarmと共に企画したわけだが、共同作業の楽しさや難しさをみなで感じ、みなで解決していったこともあり、私としてはここまでとても有意義な時間を作れたんじゃないかと思っている。私はいつもの調子で好き勝手なことを言ってしまっているが (もう一人の「同志」と共に (笑)、そんな私を暖かく受け入れてくれているみなとこのツアーを企画できてよかった。ツアーはまだ始まってないが、私にとってこのツアーのスタートはここからだったので、このようなことを書いているわけだが、このツアーに興味を持ってくれたなら、各地のパンクスのみなさんもぜひかけつけてください。


ツアーに合わせ、当方からリリースするKhatarinaのディスコグラフィーCDを始めとして、Unarmのメンバーが立ち上げたニュー・レーベル "Konfusion" から、 Khatarina / Screwithin / Unarm - 3 way split CDもリリースされます。これらの作品は各地のギグ会場で入手できると思います。よかったら買ってください。


また、4月1日発売のDollに、Khatarinaのインタビューが掲載されますので、そちらの方も。インタビュアーは、ScrewithinのIちゃんとUnarmのNちゃんです。彼女らの12"のタイトルでもある「遠慮せず、クソ野郎になれ」に込められた、固すぎず緩すぎずな「本質」を知れるとてもいいインタビューになっています。それから、そのDollに掲載しきれなかったインタビューが、IちゃんとNちゃんが協同でリリースするファンジンに掲載される予定です。これはもしや日本初のアナルカ・フェミニスト・パンク・ジンになるか!? このファンジンも各地のギグ会場で入手できることと思います。


最後に。各地で企画してくれるパンクスのみなさん、出演してくれるパンクスのみなさん、ほんとうにどうもありがとう。これからお世話になりますので、よろしくです。


Acclaim Collective


以下、ツアー全日程:


SMASH YOUR FACE presents "「KILLER BLOW TOUR」 + 「Dynamite Gig #05」"

4/4 (土) 神奈川・横浜元町barGiG

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, SMASH YOUR FACE, SVS


SCREWITHIN presents "Killer Blow Tour"

4/5 (日) 東京・新大久保Earthdom

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, ANGEL O.D, ISTERISMO, NERVS, SUPER FRISKY, NO VALUE


CLAYSEA presents "Stench Brain Crusher"

4/7 (火) 静岡・磐田FM Stage

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, SCATTER BRAINS, FLEA, CLAYSEA and more


* (この日Unarmの出演はありません)


ACROSTIX presents "激烈音隊突撃開始"

4/8 (水) 三重・四日市Club Chaos

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, ACROSTIX, END OF SEEDS, TOTAL NOISE ACCORD


* (この日Unarmの出演はありません)


DISTURD presents "未来は僕らの手の中"

4/9 (木) 岡山・津山Studio K2

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, DISTURD, SKiZOPHRENiA! and more


FRAMTID presents "「Hardcore Victim Gig」 + 「Killer Blow Tour」"

4/10 (金) 大阪・難波Bears

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, FRAMTID


PROLETARIART presents
"Never Ending Crusties Attack Vol.23"
4/11 (土) 愛知・岡崎Cam Hall

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, ATTACK SS, D-CLONE, ZOMBA GREEN, PROLETARIART and more


UNARM presents "Killer Blow Tour"

4/12 (日) 東京・小岩eMseven

starring : KHATARINA (Finland), SCREWITHIN, UNARM, DREADEYE, LIFE, ENCROACHED, LOWVISION, DxIxE, COSMIC NEUROSE, KRIEGSHOG, NO SLOGAN (Chicago)

vegan food : ソビエト食堂


* Acclaim Collectiveは全日程出店予定。


Khatarina : www.khatarina.tk

Screwithin : www.myspace.com/screwithin

Unarm : www.myspace.com/unarm12345

Acclaim Collective : acclaim.nomasters.com

2009/03/21

Khatarina "Roaaaaarrrrr!" CD (ACM024): Out in April 01

ふうー何かと忙しくてなかなか作業が進まなかったけど、なんとかツアーまでに間に合いそうだ。

Khatarina - Roaaaaarrrrr! CD (ACM024)、4月1日リリース決定。自主リリースされたデモCD-R、当方からリリースした "s/t" 7"、そして彼女らの現時点での最高傑作との呼び声も高い "Ala Eparoi, Vaan Aparoi / Don't Hesitate, Be A Bastard" 12" を収録した全22曲。


"Ala Eparoi, Vaan Aparoi / Don't Hesitate, Be A Bastard" (遠慮せず、クソ野郎になれ)ーーこの彼女らの本質を示すスローガンを引っさげて、彼女らがここ日本にやってくるまで後2週間と迫った。

遠慮せず、クソ野郎になれ

Khatarina: www.khatarina.tk

2009/03/20

Acclaim Blogの新入荷について

いちおう。

右下の「TAGS」のところの "Mailorder" あるいは "新入荷" をクリックしてもらうとリストが一覧になって表示されます。

7"やLPやファンジンをまとめて表示させることもできます。

Weblogって便利なんだな。メンドくせーから、HPはもうこれでいいか。

Acclaim Collective

NAGÄF

2005年に、1stアルバム "Inercia Somatica" の日本盤を当方からリリースした後もずっと連絡を取り続けていたコロンビア・ボゴタのReaccion Propiaのメンバーが "NAGÄF" という新たなバンドを結成。

ちかじか、アメリカのアナキスト・コレクティブ
"CrimethInc. Ex-Workers’ Collective" のメンバーがやっていたことで知られるCatharsis/Requiemのメンバーが新たに結成したFrom the Depthsとのsplit CDでデビューを果たす。

かれらはコロンビア・ボゴタにおいて、アナキスト・ムーブメントとリンクしながら、10年以上もD.I.Yパンク/ハードコア・シーンに関っていて、非常に困難 (危険) な政治状況を抱える同国で生きていくためには、やはり音楽と政治がリンクするのは現実的に重要なことのようだ。

コロンビアの反対勢力と言えば、FRACやELNという二大左翼ゲリラ勢力が有名だが (現在、これらの二大勢力は以前より勢力を落としており、麻薬売買・誘拐 (金持ち・貧乏関係なしの)・強盗を資金源とした金権政治や階級的な組織構造など批判も多いが、いまだにこの二大勢力を政府に対する「重要な」反対勢力と考えている人々も多いといわれる)、さきに述べたとおりアナキストも存在する。言うまでもないが。

国内には、米帝直属のコロンビア政府、軍及び警察と結託した右翼準軍組織が暗躍しており、それらの左翼ゲリラを始めとした政府に反対するあらゆる者が殺されている。もちろんアナキスト (パンクスもだろうな) もその対象から外れない。
アナキストの活動もまた「ゲリラ活動」とみなされるため (どこでもそうだが) 対立的な直接行動は危険極まりない。

2005年のメーデーには、Nicolas Neiraと呼ばれる若いアナキストが、コロンビア国家によって虐殺されるという事件も起こっている。国家のそうした暴虐に対する反撃として、Res Gestae / La Vendetta / Yacopsae "In Memoriam" CDが、Reaccion Propiaのメンバーが運営するPersistencia Recordsを始めとして、南米のD.I.Yパンク/ハードコア全10レーベル協同でリリースされた。


ちなみに、私の知っているコロンビア/南米のアナキストやパンクスはみな左翼ゲリラのやり方に真っ向から反対しつつ、コロンビアにさらなる貧困・腐敗・暴力・死をもたらしている「大元締め」が米帝であることを指摘している。

コロンビアのアナキストは、アメリカ大陸の他の国と同じく、ムーブメントを維持できるが、それには莫大な費用がかかり、一貫性は維持しにくい現状があるようだ。

というわけじゃないが、アナキスト・ムーブメントと密接にリンクしている、このコロンビア・D.I.Yパンク/ハードコア・シーンをもっとサポートしようじゃないか。

Acclaimも、バンドから聞いた話やウェブ上であちこち散見される情報を簡単にまとめたので間違った情報もあるかもしれない。興味を持った人は独自に調べてみてほしい。

About NAGÄF


Taking popular music back on the stage, NAGÄF was born in Bogotá (Colombia) in 2008 to stand for the critical-political music which refuses to bepart of the consumer based standards. In spite of the short time, the band was conformed some of the members have been involved in the hardcore/punk scene for more than ten years. And some of them are currently playing in bands like: Xterminio, Res Gestae, Otra Alternativa, Reacción Propia, Sabotaje, Grita o Muere y Mano de Obra Barata.


According to authors who have interpreted the Old Testament, NAGÄF means: to push, to defeat, to inflict (a disease), to snatch, to fall, to punish, to undo, to hurt, to kill and to beat, putting God as the first and foremost responsible for this deadly actions. For us, this word proof the responsibility of God (i.e, the king, the supreme, the almighty, the tyrant, the expert, the master, the military, the religions, the government, and all those institution as well as individual characters who address to have a universal truth, unique and absolute) in the formulation, implementation, and perpetuation of social relationships based on territory, body and mind domination conquest and invasion.


After trying to make the whole world as one-dimensional as it could be, it look after a unique way of thinking, that just not arouse a particular view, but defend by means of violence, intimidation, punishment and condemnation, configuring the "right" (and ideal) social parameters of behaving that, as the history of our people shows, must be implemented and obeyed by any means of fire and blood under the consent of the dominant sectors and, of course, under the blessing of the holy church.


NAGÄF: www.myspace.com/nagafcrust

2009/03/19

Alpinist "minus.mensch" LP: Out in April 09

Acclaim CollectiveからFinisterreとのsplit LPをリリースしたばかりのドイツ・ミュンスターのAlpinistがはやくも4月に "minus.mensch" LPをドロップ。同郷のAlerta AntifascistaContraszt! Records、Phobiact Recordsの3レーベル協同でリリースされる。彼らのMySpaceでそのアルバムに収録される2曲を聴いたが、本作は彼らの最高傑作になる予感。「このバンドがもしアメリカのバンドだったら大人気になっていたさ!!! 悲しいが真実だ」と評されたことでも有名なスペインのEkkaia "demasiado tarde para pedir perdon" LPに匹敵する内容になること疑いない。Acclaim Collectiveでも取り扱う予定。

Alpinist: www.myspace.com/alpinistsucks

2009/03/18

「ノン・プロフィット」とカネ社会

やはりだ。世界中の大多数のD.I.Yパンクスが「Fuck Work」(労働くそだ)を唱えながら、新たなバンドが生まれ、新たなレーベルが生まれ、新たなファンジンが生まれ、そこからまた新たなD.I.Yのアイデアが生まれ、新たな生きのびるためのアイデアが生まれ、新たな抵抗のアイデアが生まれ続けているのは、ともだちのための「ノン・プロフィット」があるからなんだな。

俺らはいつだって、働く
のがいやなやつやカネのないやつを決して責めたりしないで、レコードやファンジンやTシャツを分配しあってきたんじゃねえか。ときには価格を自由に変動させたり、ときには俺らの各々の「仕事」とトレードしたり、ときには(仕方なく)「ただ」であげたりしてな。

そう考えると、D.I.Yパンク/ハードコアのレコードやファンジンやTシャツは基本的に安くあるべきだと思うけど、なかなかそうもできない。「高く売ること」が悪いとも言えない。
ちなみに俺は、"既定価格変更のお知らせ" でも書いたが、運営のためには利益も必要という人はそれだけの利益をとればいいし、レコードにカネをつぎ込める余裕のある人はそれだけのカネをつぎ込めばいい、と思っている。結論から言えば、俺らがD.I.Yパンクのある種の「約束」を簡単に守れない状況をつくりだしてるのはこの社会構造。根本的な問題がこれだ。

「働かざるもの食うべからず」、「働いても働いても貧乏」、「だれもがカネを持っている」ってか。まったくふざけんな。

これこそが俺らの「ノン・プロフィット」をめちゃくちゃにし、俺らが自分が好きなことで食える夢をめちゃくちゃにしてるのさ。


だから何度でも言ってやる。

カネ社会、ファックオフ。

「ノン・プロフィット」の社会の実現のためにな。


Acclaim Collective

New Distro Items: 3/17 - 自由労働者連合ニューズレター

大阪の自由労働者連合 (Free workers' Federation) / 黒色救援会 (ABC - Osaka) が発行するニューズレター "Bottoms" の取扱いを開始。

自由労働者連合 - Bottoms 創刊号 (Summer 2008) (自由労働者連合) ¥300

自由
労働者宣言 ~自律空間のあくなき拡大~ / 黒色救援会より / 長野県川上村争議 / 6・13救援会 抗議声明 / 故 死刑囚・宮崎氏と私・・・など / 朝日建設争議の意義と総括への試み / ある獄中者の詩「西成のオカミ」

自由労働者連合 - Bottoms 第2号 (Autumn 2008) (自由労働者連合) ¥300

黒色救援会【ABC - osaka】声明 / ある下獄者の孤高の獄中闘争口伝 / 死刑廃止! 105人集会報告 / 金木犀かおる川内の路傍より / 日雇派遣禁止に異議あり! / 詩「9・11に祝福を」 / 頭脳警察、心斎橋クラブクワトロに参上 / 大住隼人舞に思いを馳せて / 海外通信 ブライトン、アムステルダム、プラハ / 朝日建設争議総括 / 自由労働者連合 ~ これまでの歩み / 会計報告、カンパ要請 / 目次、編集後記

自由労働者連合 - Bottoms 第3号 (Winter 2009) (自由労働者連合) ¥300

2009年年始声明 / 6月抵抗闘争弾圧裁判と獄中からの便り / 越年闘争の取り組み (大阪、東大阪、京都) / 難波職安 「非正規雇用就業支援センター」 の実態 / poznan より緊急声明、ポーランドへの抗議書 / 無政府主義の哲学 (1) / 詩 / 自由労働者宣言 / 目次、編集後記

★ 機関誌のタイトル "BOTTOMS" (ボトムズ) は、"ボトムズ = 最低の野郎ども" と呼ぶ。「どん底」「最下辺」「底」「ビリ」「行き詰まり」「けつ」など様々な我々に叩きつけられてきた馴染み深い言葉でもある。また、「本質」「真相」「根本」など重要な意味も含む。

自由労働者連合 (Free workers' Federation) / 黒色救援会 (ABC - Osaka) : federaciodechifonproletoj.wordpress.com

2009/03/15

New Distro Items: 3/15

FREDAG DEN 13:e - s/t 7" (Shaman) ¥400

" Scandicrustcore for fans of Skitsystem, Tragedy, Victims from Göteborg, Sweden. " - Shaman

Fredag Den 13:e: www.myspace.com/fredagden13e


MEINHOF - The Rush Hour Of Human Misery CD (Shaman) ¥900

" Meinhof from London know how to kick the shit out of you... even digital style! 14 Tracks of semi industrial, fast and aggressive, angry crustpunk in a very impressive and massive production out of London. Amazing raw and pissed off female vocals along the buzzsaw guitars, the fast, uncompromising and brutal cold electronic drumming and the houwling desperate message belt out in various samples. Imagine a better Ministry meets old Discharge. CD has 3 Bonus tracks from their split EP with DISGUST. " - Ruin Nation

Meinhof: www.myspace.com/dhcmeinhof

PROJECT HOPELESS - Valkommen Till Var Sopfyllda Fabrik CD (Shaman) ¥900

CDバージョンも入荷。レビューは以下参照 :

" 1stアルバム "Kalla Javla Samhalle" LP (2004) から、およそ3年ーースウェーデンのA//E・ポリティカル・ハードコア・ロウパンク・バンド "Project Hopel
ess" の2ndアルバムが、メンバーのOskarのレーベル "Not Enough" を始めとして、全5レーベルの協同によって遂にリリースされた。本作は、バンドとしてもっとも時間がかかった作品のようだが、メンバー自身も待った価値がある内容となった、と言っているとおり、それに疑いなくこれは彼らの最高傑作だろう。本作より、新たにスポークンワード/ヴォーカル担当のSteve Hylandが加入ーー男性デュアル・ヴォーカルになり (幾つかの曲ではトリプル・ヴォーカル)、ドラマーもSkitkidsでも叩いているStefanが加入し、メッセージ/サウンドの幅もさらにパワーアップ。直線的に突進するレイジングなサウンドの中に、巧みに変化をつけるセンスも申し分ないが、正式に「スポークンワード」というパートをバンドに取り入れたことで、ヴォーカルで説得力や存在感を持つバンドにもなったと思う。まさに、ConflictやOi PolloiやSeditionやAus-Rotten/Behind Enemy Linesのそれである。スウェーデン語と英語で唄われる長文の歌詞のラスト・ソングは、「Never Ending Resistance」ーー文句なし。本作もまたAcclaim Collective内でプレイされ続けるレコードとなるだろう。アナーキー&エクアリティのための全10曲。 " - Acclaim Collective

Project Hopeless: www.projecthopeless.tk

RESISTANT CULTURE - All One Struggle CD (Shaman) ¥900

" The second album from these amazing tribal grind crust masters. This cd is a powerful follow up to Res
istant Culture's debut release "Welcome to Reality". The evolution of tribal grindcrust continues with this sonic landscape. The urgent lyrics, anthemic rebellious punk spririt, dark menacing grind, and metal brutality will empower your struggle to survive!!! This is a special limited edition co-released by Shaman Records and Seventh Generation Records. " - Shaman

Resist
ant Culture: resistantculture.com

TERRORISMO MUSICAL / DISTURBANCE PROJECT - split 7" (Self-Released) ¥400

" Spanish Disturbance Project (featuring ex-Denak members) attack with 5 new
blast of old school grindcore! Greek Terrorismo Musical present 5 song of pure grind/crust with a little gore touch! " - Angermoise

Disturbance Project: www.myspace.com/disturbanceprojectband

Punk is Dead が希望であるとき

Acclaim Collective の9月21日付ニュースに書かれている記事を、思わず唸りながら読んだ。

「自分たちのことは自分たちでやる」──つまり大手音楽資本・産業を介在させない自律的な〈文化=社会〉運動としてパンクを捉える流儀にしたがってきた「同志」の提起に、僕は少なからず意を強くしている。Acclaim 主催のH君は、レーベルやディストロをただ「こなしてきた」だけの人じゃない。意に沿うギグにせっせと出かけては「出店」してギグでの情報拠点を持ち込み、あるいは「仲間」の「社会的な運動」へもコミットしてきた人だ。「自分たちでやるんだ」という流儀にあっては、情報を集約・交換するという営為はどんなに小さくても重要なことだ。それはマスのコマーシャリズムやマーケティングに収奪される「文化」から背反する根拠となるからだ。その意味で機会をつくってきたH君および Acclaim の努力には心強いものがあった。


もちろんどんな人間も完全無欠ではない。H君にしても人知れずの苦労や失敗、それに伴う他者からの賛同・批判さまざまに抱えてきたものと思う。僕自身、「ポリティカルな」主張を掲げるクラストパンクのバンドに参加してきた日々のなかで、いつだって「正しく」「うまく」やってきたと思い上がることはできはしないのだ。むしろ失敗や試行錯誤の繰り返しを続けてきたなかにこそ今があるのだし、そもそも「正解」はないとさえ思っている。とはいえ、DIYパンクにとって重要なことは、どれだけ自分たちのことを自分たちでコントロール(自主管理)できるかという一点に集約される。


長くなるが、Acclaim の「転換」宣言の半分ほどを引用する。


  私たちが「越えられない問題」とは何か?


  Acclaim 全体の方針としては、「音楽だけのパンク」をさらに排除していくことになるでしょう。私たちは、音楽だけでは何の社会的価値もないことを知りながら、常にそのことに沈黙しているような気がします。しかし、パンクが今の今まで続いてきた理由は、常に音楽以外のもの、音楽の周囲で何かが起こってきたからです。 Acclaimにとって、パンクは絶対に反国家・反資本主義です。そしてそれは、「イメージとしての反」ではなく、また、政治的な「運動」に限定されるものでもなく、私たちの「現実」と「現実」を繋ぐものとして機能してこそのものです。やはり、パンクは常に、私たちが単純に問題を理解しないための武器であってほしいし、私たちが話さないことを話し始める武器であってほしいし、私たちがなぜそれをしなぜそれをしないかを考えるための武器であってほしいし、このシステムが進むにつれて奪われた私たちの「仕事」を取り戻すための武器であってほしいし、私たちが生きる希望を取り戻すための武器であってほしい。パンクはこうした武器になったときに初めて社会的価値を獲得します。ここに私たちの「それぞれの現実」はありません。


  人と人との「現実」がない「音楽だけのパンク」ーーAcclaimは、それこそが私たちが「越えられない問題」だと思っています。つまり、Acclaim の転換期というのは、以上のことから「より小さな世界」を求める、ということです。心情的には今、パンクの可能性は希望が1%、絶望が99%です。しかし、その1%を追求する情熱はますます燃え上がっています。今まで多くのパンク/ハードコア・バンドが「Punk is Dead」と唄ってきた意味がようやくここにきて理解できたような気がします。彼らが唄った 「Punk is Dead」とは、その1%にかける断続的な希望なのだったと。


(Acclaim Collective「今後のAcclaimについて」)

「イメージ」や「政治的な運動」に限定されない、僕たち自身の諸「現実」をつなぐための武器としてパンクを再解釈しようとする宣言に、心から「異議なし!」と応えたい。


思えば、僕自身がハードコアパンクの世界に戻ったきっかけは、9・11以後の侵略戦争に抗するデモのなかでの出会いにある。契機がこうだから、僕が「シーン」に再び自己投企する回路となったバンドは「ポリティカル」と見られてきただろうし、またバンド=自分たちの方でもそのことをあえて避けなかった。しかし「音楽だけではない」という態勢をとってきたつもりで、それでどれだけのことをできたのかといえば前述のとおり逡巡しないわけにはいかない。あえていえば、「ポリティカルであること」にのみ終始しすぎてきた嫌いさえある。いうまでもないことだけれど、自己充足の態度が純化すれば、他者と対話していく努力から遠ざかることになるからだ。


日本のパンクは細分化されている。これは日本に限らないとは思うが、細分化されたパンクの多くが「音楽としての」それぞれに自閉していることも事実だ。とりわけ巨大資本の論理に毒された類いのパンクの特殊性は、〈文化=社会〉運動とは決して交雑しようとしないところにある。〈文化=社会〉運動、あるいは〈政治〉的運動と合流しようとするパンクスは、「インディペンデント」「アンダークラウンド」のなかにあっても絶対少数派だ。こうした日本での状況は、スクウォット(住宅占拠)運動と結合した欧州DIYパンクの文化的・政治的な自律化との道行きと異なり、〈文化〉の自律性の経済的根拠・土台を欠いてきた環境に求められよう。自主管理の空間を欠いた社会という背景を持つ日本のパンクは、場の自律を追求するにはあまりにも経済的に過重なコストと文化的な事大主義に取り巻かれている。この意味で、毛利嘉孝『はじめてのDiY──何でもお金で買えると思うなよ!』は、肯定的なものばかりを捉え事態を楽観的に描きすぎている(ハウツー本的な激励もないよりはマシだけれど)。


しかし Acclaim が提起するように希望がまったくないわけではない。DIYパンクはこの日本でも絶滅してはいなし、パンクに限らず自生的な「何か」の動きは絶えず繰り返されている。希望をつなぐという目的からすれば『はじめてのDiY』のような机上の提起もいいだろう。


〈われわれ〉は社会的なものとしての「パンクの死」を宣告しながら、その再生にかける希望のただなかで「生きる」ことを追求する。単に「インディペンデント」「アンダーグラウンド」であることへの充足から跳躍すること、それは「現実」と「現実」をつなげようとする努力のうちにはじまる。そうした〈生=社会的営為〉に内包される「武器」としてのパンクの発現を求める動き=〈運動〉のなかで、「Punk is Dead」のパンク、「threat」(脅威)としてのパンクの再生が期されることになると僕は信じている。

Taken from mukofungoj ĉiuloke

2009/03/14

今後のAcclaimについて

今後のAcclaimについて - 「More Than Music」へのさらなる挑戦

今回は、今後のAcclaimのレーベル/ディストロの方針について少し書きたいと思います。というのは、Acclaimは今、転換期に来ているからです。Acclaimは今まで、良い意味で、かっこいいと思ったバンドを即座にリリースしすぎました。正直少し開放的すぎたかとはいえ、そこには、確実にAcclaimの基本理念があり、サポートの目的があり、そこから得たものがたくさんあるので、意味がなかったものは本当に一つもありません。今後は、リリースするバンドや形態をより明確にし (これには多様な意味を含みます)、ゆっくり紹介していきたいと思っています。財政的にもいいとは言えず、そのことも含めてレーベルを再建したいのです。レーベルの意図とは異なりますが、こちらもサポートの意味を込めて、あえて開放的に展開してきた (これでも) ディストロについても同様です。


Acclaimには、共有したいと思っても共有できていないバンドがまだまだ世界中にたくさんいます。だから、「サポートのみ」の目的では、開放的にやっていく余裕がなくなった、そしてそれに費やす時間を共有したいバンドにもっと費やしたい、ということです。本当に共有したいと思ったバンドから始まる広大な何かーーAcclaimが考えるパンクの可能性はもうそこにしかないと思っていますし、その可能性を追求することが、Acclaimにとって一番有益だと考えたからです。それから、言っておきたいのは、開放的にやるということに可能性がない、と言っているわけでは決してありません。けれども、今までのAcclaimの活動ーーとりわけディストロにおける実感としてもそうであり、よってAcclaim自身にも言えることなのですが、私たちは、いつでもそこに「越えられない問題」を抱えています。また、Acclaimが今後選択した方針に関しても同じことが起こりうることも十分承知しています。


私たちが「越えられない問題」とは何か?


Acclaim全体の方針としては、「音楽だけのパンク」をさらに排除していくことになるでしょう。私たちは、音楽だけでは何の社会的価値もないことを知りながら、常にそのことに沈黙しているような気がします。しかし、パンクが今の今まで続いてきた理由は、常に音楽以外のもの、音楽の周囲で何かが起こってきたからです。Acclaimにとって、 パンクは絶対に反国家・反資本主義です。そしてそれは、「イメージとしての反」ではなく、また、政治的な「運動」に限定されるものでもなく、私たちの「現実」と「現実」を繋ぐものとして機能してこそのものです。やはり、パンクは常に、私たちが単純に問題を理解しないための武器であってほしいし、私たちが話さないことを話し始める武器であってほしいし、私たちがなぜそれをしなぜそれをしないかを考えるための武器であってほしいし、このシステムが進むにつれて奪われた私たちの「仕事」を取り戻すための武器であってほしいし、私たちが生きる希望を取り戻すための武器であってほしい。パンクはこうした武器になったときに初めて社会的価値を獲得します。ここに私たちの「それぞれの現実」はありません。


人と人との「現実」がない「音楽だけのパンク」ーーAcclaimは、それこそが私たちが「越えられない問題」だと思っています。つまり、Acclaim の転換期というのは、以上のことから「より小さな世界」を求める、ということです。心情的には今、パンクの可能性は希望が1%、絶望が99%です。しかし、その1%を追求する情熱はますます燃え上がっています。今まで多くのパンク/ハードコア・バンドが「Punk is Dead」と唄ってきた意味がようやくここにきて理解できたような気がします。彼らが唄った 「Punk is Dead」とは、その1%にかける断続的な希望なのだったと。


最後に。Acclaimはいわゆる「@パンク・バンド」や「ポリティカル・パンク/ハードコア・ バンド」に限定して方針を変えたわけではありません。そしてあらゆるバンドが政治的・社会的な歌詞を書くべき、ということでもありません。しかし、なぜそれが好きで、それが嫌いな人間がいるのか? 私たちの「現実」は、すぐ目の前に隣り合わせに存在しています。いっぱいの「クソ」もまた隣り合わせに存在しているこの「現実」の中で、私たちはまだ言い続けるのだろうかーー「好みの問題だ」、「人それぞれだ」と。


もう一度言いたい。


人と人との「現実」がない「音楽だけのパンク」ーーAcclaimは、それこそが私たちが「越えられない問題」だと思っています。


Acclaimは今一度、パンクの意味そしてAcclaimの意味を考え直したい。さらには、 その「越えられない問題」に今一度、挑戦したい。


「音楽は脅威じゃない。音楽が喚起する行動は脅威になるかもしれない。」 - Chumbawamba


2008/9/21 記

Taken from Acclaim Collective (A)

New Distro Items: 3/14

新入荷。いまレビューを書いてるヒマがないので当分引用が多くなることごめん。

A//NARCOLEPSIA - demo tape (Les Nains Aussi) ¥400

テープ・バージョンも入荷。レビューは以下参照 :


" ベネズエラ・カラカスの若いアナーコパンク・キッズによるこのA//narcoplepsia。彼らは、男女ツインヴォーカルの正統派の南米アナーコパンク・サウンドをプレイする新たな4人組だ。本作は、1stデモながら、ベネズエラのCabeza de Vacaを始めとして、フランス、アルメニア、スペインの計4レーベルによってリリースされており、インターナショナルな宣伝も狙ったものとなっている。陰りのあるメロディも備えつつ、ひたすらアグレッシブに突進する活きのいいサウンドで力がこもる。男女ツインヴォーカルだが、ほとんど女性ヴォーカルがメインで、男性ヴォーカルがバッキングの掛け合いスタイル。この辺りは、@patia Noとは逆だが、共通項が見出せる。はっきりとした声で叫びまくるパワフルな女性ヴォーカリストはなんとも印象に残る。歌詞は全曲スペイン語。もちろん、「インターナショナル向け」ということで、英訳も付。リサイクルド・クラフト・ペーパーを使用したデジパック仕様のしっかりした作りもいい。TragateloとMigra Violentaのカバー含む全10曲。 " - Acclaim Collective

A//narcolepsia: www.masquepalabras.org/anarcolepsia

HAYMARKET - once upon a crime CD (Les Nains Aussi) ¥600

" The 2nd album by French Punk rockers Haymarket is more HC influenced than their previous release. @Punk Rock with Jello Biafra vocals style and the typical raw HC vocals in a question / answer way. Political lyrics mostly in French with translations included. " - Maloka

MARCEL DUCHAMP - contra nosotros mismos ... LP (Les Nains Aussi) ¥900

" Marcel Duchamp is certainly one of the most interesting south-american band. Musically speaking, they have been able to make an unique sound, fast, aggressive, orginal. It is a mix between fast hardcore a la Los Crudos and modern hardcore slightly destructured. Humanly speaking the band is strongly involved in the chilean collective Masapunk which has been making punk more than music for several years. An essential record to me ... " - Les Nains Aussi

Marcel Duchamp: www.carcaj.org/duchamp

2009/03/13

既定価格変更のお知らせ

現在まで Acclaim Collective (A) に掲載されている Acclaim Releases の全作品および Mailorder で扱っているいくつかの作品の既定価格を変更します。

現在の表示価格よりCD-R/カセット/7"/MCDは¥100、10"/CD/LPは¥200をマイナスした金額をあらたな規定価格にします (日本のレーベルのもので価格が定められているもの、一部の海外委託品、それら以外のファンジン/本などはのぞきます)。Acclaim Release に関してはまだ分かりませんが、今後入荷するディストロ・スタッフについても、だいたいカセット/7"・¥400~¥500、CD/LP・¥900~¥1.000の間の価格設定になると思います。MCDや10"に関しては、モノによって価格が変わります。


レーベルもそうだが基本的にディストロは、「お客さん」のためというよりは周りのともだちのためにやっているんだけど、なかなか実際に手に取ってもらえないのは寂しいかぎり。けれども、Acclaim Collective が紹介しているような知らないバンドを手に取るにはまだまだ入手しづらい価格なのかと考えたうえでの決定。貧乏はますます貧乏になっている状況だろうし、そんななかでもカネのないパンクスもすこしは入手しやすくなったと思っているんだけど、どうだろう?


おれはあまり働いていない期間が長かったから分かるんだけど、たった¥500や¥1,000でもレコードにカネ払うくらいなら、実際けっこう食えるんだよね。これだけのカネをゲットできれば一週間は持つような気がしたからなあ。でも、新しいバンドは聞きたい。まあだから、おれでもレコードにこんなカネは払えん、と自分に置き換えて、「ノン・プロフィット」をさらに追求しようかと。「ノン・プロフィット」のほんとの意味ってともだちのためなんだよね。だからこれでよし。

ちなみにこのことは、Acclaim Collective においてのみ適用されるものであり、DIYパンク/ハードコア・シーン全域に適用されるものではありません。いろんな状況があるし、運営のためには利益も必要という人はそれだけの利益をとればいいし、レコードにカネをつぎ込める余裕のある人はそれだけのカネをつぎ込めばいい。ただそれだけのことよ。


すこしでも興味を持ったらよければ聞いてみてね。リリース資金もあまり余裕がない…


オーダーは、この Weblog の「詳細プロフィールを表示」よりメールください。


Acclaim Collective

注 : この価格での販売は本日から有効です。現在取り置きされているものに関しては以前の価格です。

2009/03/12

Alpinist / Finisterre split LP (ACM022): Review

ALPINIST / FINISTERRE - split LP (ACM022)

" Two previously unknown bands to me and a quick Google search tells me this is the first vinyl appearance for Alpinist after a demo tape and that the Finisterre tracks was meant for their first demo but ended up as their side on this split instead. I've argued that I think records should be preceded by at least one demo, but I've myself released the very first recording by a band so I'll leave that one alone this time.
Alpinist comes from Germany and they play the type of dark and heavy modern crustcore with songs that range from slow and atmospheric to loud and aggressive, with mainly one thing that separates them from other bands doing the same stuff - the vocals. Where most bands doing this style have the dark grunting this singer instead let his aggressions out through intense screaming. It's ok stuff, but not a whole lot more than that I'm afraid.

Finisterre hail from Germany as well and while I guess you could pin the "modern crustcore" style to them as well they separate themselves a little bit with having a sound that reminds me a little bit of the late 90's mid-tempo scandicrust bands, mainly from the Minneapolis area, with hoarse yelling and dark grunting trade-off vocals. At their best times they sound like a cross between Warcollapse (quite far from Minneapolis, I know) and Calloused, and at their worst times they're somewhat predictable. There's room for growth, even though it's a quite solid debut effort.

Comes with a nice booklet where both bands have plenty of space for lyrics and artwork. "

[Krogh - January 31, 2009]

-
Attackfanzine.net

Alpinist: www.myspace.com/alpinistsucks

Finisterre: www.myspace.com/finisterror

Acclaim Releases Page → Here

2009/03/11

Divisions Ruin "s/t" 7" (ACM020): Review

DIVISIONS RUIN - s/t 7" (ACM020)

" Here's an EP that holds four tracks of loud and howling raw crusty-styled hardcore. The A side contains two tracks that are executed in a slower manner with pounding rhythms and roaring vocals, where the B side, although not being without doom-laden riffs, have two faster tunes with more of an aggressive approach. There can be possible neo-crust comparisons to the music, but the delivery are a lot rougher than that, and not as polished, not quite placing this EP within said category.

This is in fact hard to place within any category as the music refuses to be labelled. There are parts with haunting crust which explodes into grindcore in the next second, before they bring out the metal. They pour a little bit of everything into it and the result is quite a diverse brand of doomy crustcore. "

[Krogh - March 5, 2009]


- Attackfanzine.net

Divisions Ruin: www.divisionsruin.bravehost.com

Acclaim Releases Page → Here

2009/03/08

Acclaim Collective (A) Blog

Acclaim Collective (A) Blog、開設しました。パソコンがクラッシュし、本チャンのWebsiteの復帰にまだ時間がかかることもありますが、この機会に今後このWeblogを本チャンのWebsiteと並行して運営していくつもりです。このWeblogには、レーベルのリリース情報、ディストロの新入荷情報、コレクティブとしての情報などAcclaim Collectiveに関することだけでなく、その他国内・海外問わずD.I.Yパンク/ハードコアやアナキストに関連することならなんであれ載せていくつもりです。Punks Against G8 Blogのように限定されない分、まめに更新できると思います。よろしくです。

Acclaim Collective