2009/03/23

考えればテロリスト、殺せばヒーロー - El Libertario

埋もれたままになっていたアナキスト関連アーティクルのご紹介。

今回紹介するこの "Terrorist for thinking hero for killing" (考えればテロリスト、殺せばヒーロー) は、ベネズエラ・カラカスの Anarchist Commission of Relations (アナキスト関係委員会) によって、2003年のイラク戦争後に書かれたものである。同年3月19日に、アメリカ・イギリスによって仕掛けられたイラクへの侵略戦争に対する抗議声明と言っていい。

彼らは、El Libertario という南米でもっとも活動的なアナキスト・ニュースペーパーを発行していることでも有名で、日本のパンクスにもおなじみの @patia NoDona MaldadLos Dolares といった同郷のアナーコパンク・バンドや、フランスの Fight For Your Mind 監修で彼らのためのベネフィットCDがリリースされるなど世界中のD.I.Yパンク/ハードコア・シーンとの親交も深い。

考えればテロリスト、殺せばヒーロー
"Terrorist for thinking hero for killing"

我々が言う「考えればテロリスト、殺せばヒーロー」というフレーズは、「我々に
敵対するものは誰であれ犯罪者だ」そして「我々のために盲目に闘っている人々」はこの国の英雄だ、という哲学のことを指している。
この哲学を持っているのは国家である。この言明は、国家に対して闘っている多くの運動を完全に不当なものにしている。自由・解放・平等を求めて闘うことは、自分が犯罪者だとか、ましてやテロリストだとかいうことを意味してはいない。国家は民族主義を利用して殺し屋を創り出す。自分の国 (そんなものは存在しないのに) への、国家を代表する国に対する、盲目の愛を民衆に植え付ける。国の間で紛争が生じたときに、従順な人々を送り込むことができるようにするためである。そうした人々は、自分たちが自由のため・正義のために闘っているのではなく、弾圧者の利権のために闘っているということを知らされることもない。そして、戦争が終わった後で、戦争で死んだ人々は、このありもしない大義の犠牲者とされる。だが、この同じいわゆる犠牲者達は、同時に、子供を殺し、若者を殺し、家族を殺しているのだ。何が、彼等を英雄扱いさせているのだろうか?

その一方で、闘争が、別種の闘争が創り出されている。これは、本当の大義を持っ
ており、支援するにたるだけの見解を持っている。この闘争は、権力側の利益のためではなく、民衆のため、世界のためのものである。弾圧者に対して向けられる拳である。この闘い・この大義は権力を維持している奴らに汚されている。奴らは、社会が我々を犯罪者・愛国主義の破壊者だと見なすようにしている。同時に、我々の理想を誰もが実現不可能だと考えるようにさせようとしているのである。だが、このことが真実だとするなら
、何故誰もが国家を破壊したいと思っているのだろうか?

最近の例では、米国がイラクに宣言した戦争がある。この戦争には、数千人の無実
の男・女・子供たちを殺害する大義などない。だが、ブッシュとその仲間であるブレアとアスナールは、こうした無実な人々をテロリスト呼ばわりし続けている。ブッシュが自分の国をそれ程までに愛しているのなら、ブッシュとその息子達は何故戦争で闘わないのだろうか? 何故、ブッシュは若い兵士達を自殺的任務を負わせて、戦場へ送り出すのだろうか? さらに、我々はテロリストとレッテル貼りされているのだ..... そう、結論を言おう。一つはっきりさせなければならない。自由・公正・平等を愛することがテロリストだと言うのなら、そして、殺し屋によって盲目的に殺されることをヒーローだと言うのなら、我々は最悪のテロリストで構わないのだ。

カラカス:アナキスト関係委員会 (CRA)
Caracas: Anarchist Commission of Relations

「アナ
キスト関係委員会」(CRA) は、カラカスを拠点とするリバータリアン (反権威主義) グループであり、活動は7年に及ぶ。当初より私たちは、この地を諸集団の連合にする準備として、国内のアナキスト個々人を結びつけ、その活動を調整するという計画を立てていた。この計画は、独特の著作グループを創り出すこととなった。私たちの活動の中で最もよく知られているものの一つは、El Libertario という新聞であり、この文章を書いている現時点で、第33号の発行準備をしている。この新聞それ自体は、コレクティブが持つ異質性を反映している。というのも、その紙面では、アナキズムが持つ有機的伝統を、リバータリアン=フェミニズムやアナーコパンクといったもっと現代的な形態で刷新しているからである。ベネズエラでは独立系出版物がないために、El Libertario はユニークなものとなっている。特に、助成金や広告の拒否・費用の自主管理がその特徴である。コレクティブの活動家は思想の普及のために本を書いており、例えば、ネルソン=メンデスとアルフレド=バリョタ(「ユートピアのビナクル:21世紀のアナキズム」)・ラファエル=ウサクテギ(「黒き心」- Heart of Ink)は、El Libertario に謝意を表している。私たちは、ベネズエラ全土とラテンアメリカ諸国、特にエクアドルとコロンビアに、同志のネットワークを構築してきた。こうした国々で運動のコミュニケーションを改善するために、私たちは様々な国際イベント (1998年にはコロンビアのボゴタで、2001年にはカラカスで) を組織したり、それらに参加したりし、グループと組織の要覧を作るといったイニシアチブを取っている。

コレクティブとしての CRA は、お互いに個々人の行動を支援することで、メンバーの関心事を力づけている。このようにして、ラ=グラン=サバナのペモネス (ベネズエラの原住民族)・オルタナティブなコミュニケーション領域・都市のパンクシーンと関係を維持しているのである。音楽バンド (Dona Maldad, @patia No, Los Dolares, Skalofrios) との相互支援関係も維持しており、こうしたバンドはアナーコパンク会議やカウンターカルチャー空間といったアナーコパンク文化を促進する活動を行ってきた。CRA のメンバーが行っている最も野心的なプロジェクトの一つは、政治的・文化的文芸結社「リバータリアン研究社会センター」を始めることである。このセンターはカラカス市を本部とすることになるだろう。ここには、ワークショップ・セミナー・常設展示会といったプロジェクトを行ったり、図書館を開いたりできるほど包括的な書誌学的財産がある。CRA は週に一度集まり、意志決定はコンセンサスに基づいてなされる。個々のメンバーは、ミーティングの時に論じ合いたい活動やポイントを提議できる。メンバーは19歳から86歳までいる。コレクティブは、様々な活動を組織したり、それらに参加したりしている。例えば、the International Libertarian Days (2001年12月、カラカス), Libertarian cultural fair, Platform 26 of September, Festival of Short Libertarians, Art, Philosophy, and Anarchism, Fair of the exchange などである。

さらに詳しい情報については、ellibertario@nodo50.org にメールするか、ウェブ
サイト ( http://www.nodo50.org/ellibertario/
) を訪れてほしい。

El Libertario # 55
Enero/ Febrero 2009

現時点の最新55号

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