ギリシャ関連情報は続く。ということで、タイトルどうり両者の関係性がよくわかる作品を紹介。イケイケの実力闘争の責任を共有しているのは両者共おなじかもしれない。ギリシャにかぎったことではないですが。
EPITHANATIOS ROGHOS / PORIA STO PERITHIRIO - split LP
ギリシャの今を担う DIY アナーコ・ポリティカル・パンク/ハードコア2バンドによるスプリット。まず、Epithanatios Roghos (Death Rattle / 死喘鳴) は、同地からの初の「ネオクラスト」 (主流の言葉で言えば) と言えるか。男性ツインヴォーカルという形態で、全体的にあの Hibernation の影響はうかがえる。そこに Tragedy 的なメロディを多少からめ、エモーショナルな展開を表現力豊かに取り入れ、ギリシャ的デスパレート (絶望的)・ダーク・エモクラストを構築している。この完成度でファースト・レコーディングということだが、今後はますます良くなっていくことにちがいない。方や、Poria Sto Perithirio (marching to fringe / 端に向かって行進せよ) は、シンプルかつストレートながら実に心が強い。いわゆる UK タイプのオールドスクールなポリティカル・パンク/ハードコアをプレイする。いくぶんクラスト的な要素もある。歌詞は、両バンド共にギリシャ語で、英訳もすべてあり。そしてこの LP には、「すべての監獄の破壊」というラディカルな政治的立場がある。特大のポスタースリーブには、それに関する声明 (以下に訳) を掲載。さらには、この LP の収益金の一部はギリシャの獄中にある政治囚の支援に使われるということだ。私たちの社会における「監獄システム」の存在が意味するものとはなにか? それは私たちの日常生活そのものを投影したものでもあるのだ。私たちはみなこの社会の囚人である。
現代社会。無感覚な社会と一般化された苦難は、狂った消費のリズム・疎外・一時的な幸福・意味不明な娯楽によって構成されている... すべてが利益の祭壇の上で犠牲にされている。我々の心・人生は、まるで街路やテレビ番組のように、可視か不可視のガードマンによって監視されている。我々の考え・我々の感情・我々の夢・我々の個性は、権力の戦車の車輪にしたたる冷たい血液の下で墜落している。だが、そのような意志薄弱なゾンビと大衆の人生を撤回・離脱し、法律や社会的受理に対して自分の道を切りひらくことを意識的に選択した人々がいる。かれらに機会を与える方法が、抑圧や自由の欠乏に対するこの連続的な社会闘争の側を選択したことだった。いかなる他の戦争のように、ここにも捕虜がいる。社会的な戦闘の領域で活動的な人々は、逮捕され、監獄地獄に導かれる。そこでは当局が真実の顔を露にするのである。苦痛・向精神薬・心理戦・人種差別・搾取・無関心の屈辱的な罪は、監獄と呼ばれるこの日々の生き地獄のイメージを構成しているのだ。この状況の前で、我々の自尊心と尊厳は、我々を怠惰にさせはしない。あらゆる方法で表現された 連帯 は、苦痛を被る人々に我々を接続することだ。したがって、この LP の収益金の一部が資金援助として、現在ギリシャの獄中にある政治囚に寄与されるだろう。
世界中の社会闘争に関わる囚人に自由を
すべての監獄を破壊しろ
Released by Do It Yourself (2006)
レビューは、当時、Acclaim Distribution に入荷した際に書いたものを加筆・改編した。
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