2009/07/20

This Week's Recommendation from Acclaim Collective (A): Lost - Thoughtless・Bez Zastanowienia 7"

LOST - Thoughtless・Bez Zastanowienia 7"

"Dedicated to all people fighting the system" ーーシステムと闘うすべての人々に捧げられたポーランドの Lost のデビュー・シングル。もう説明するまでもないと思うが、この Lost でヴォーカルを取るのは、ex-Homomilitia のフィメール・ヴォーカリスト "Agnes" である。本作がリリースされた当時は、非常に高揚したことを覚えている。なぜなら、Homomilitia は、90年代のポリッシュ・アナーコパンク・ムーブメントに尽力してきたバンドであったし、このバンドがそのようなバンドの元メンバーが新たに結成したバンドであったからだ。そして、この Lost のサウンドが、13、あるいは Damad といった US のフィメール・フロンテッド・アポカリプティック・スラッジ・ハードコアの影響丸出しでまったく意表をつかれたことも覚えている。とはいえ、全体的な質感は、メタリックな80's UKピースパンク周辺のそれ。このあたりは、いまだ Homomiltia との共通項やそれらのバンドとの違いを見いだせる。クラストコア的なリフの多用もまた同様である。
聴き所はB面の重圧スロー・ナンバー2曲だろうか。Agnes の唄法も 13 や Damad のような憎悪に満ちた低い声となり、ポーランド語及び英語の混合で歌われる歌詞がそのヘヴィなサウンドと相まって腹まで響いてくる。Homomilitia のアティテュードを受け継ぐ歌詞は、同様に深い考察を巡らせたもの。タイトルにもなっている "Thoughtless" (無思慮) は、その「無思慮」こそが支配と服従を巧妙に偽装し、そのことによって私たちが「レイシストになる」・「セクシストになる」・「鈍感になる」ことを歌ったものだ: 「無思慮に対する憎悪となれ」 (Thoughtless のなかの一節)。加えて、彼女の言葉には「私のなかにも「システム」がある」ことを強調するような繊細な表現が多いことも説明しとかねばならないだろう。また、安易に「私たちはみな同じだ」と一括りにするのではなく、それを言うならば、常に「システム」というものへの分析と批判がなければならないということも。つまり、自分自身を現実的に見る真の意味が、"Dedicated to all people fighting the system" (システムと闘うすべての人々に捧げる) に込められているとも言えよう。

1. Civilisation
2. Lost

3. Thoughtless

4. Faith

5. Different We


Different We (異なる私たち)

反逆者の私たち
- 意識のある私たち
私たちは望みを持って未来を見ようとする

私たちはよりよい人間だと思う
私たちは正しい経路の世界に背を向ける


盲目の私たち

私たちは外側の世界に自分を閉じる
私たちは自分が罠にはまっていることが分からない

もう一つのシステムをつくりあげることによって

- Lost

Released by Malarie Records (2000)

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