2011/02/17

Review: Peace of Mind - Values Between 0 And 1 LP

PEACE OF MIND - Values Between 0 And 1 LP

2003年にリリースされた当時はいわゆる「エモーショナル・ハードコア」や「メロディック・パンク」の範囲に
入れられたために、日本では広義に広まらなかったドイツの Peace of Mind の唯一のアルバム (リリース元のレーベル "Scene Police" は既に存在しないため入手困難)。90年代初頭から活動を開始したこのバンドには本作以前に split LP w/ Anomie、split 7" w/ Upset のリリースがある。さらには、同時
代の Lost World や Inner Conflict などのこの地における知名度と比べると陰に隠れているが、作品もあまり流通されてなかったのでそれもしょうがない。そして本作後に解散。とはいえ、そのようなバンドが好きならどうしても聴いてほしいバンドだ (タイプは違うけれど)。冒頭で触れたとおりたしかに「エモーショナル・ハードコア」や「メロディック・パンク」なのだが、ここで言われるのは80's中期DCハードコア影響下のそれである。Rites of Spring、Grey Matter、Marginal Man などの名前をあげることができよう。エモーショナルで強力なフックをもったメロディック・パンクロック・サウンドと、怒りに満ちていながらも美しい男女ツインヴォーカルのコンビネーションは、実はこのバンドがまぎれもない「ポリティカル・ハードコア/パンク」であることを現わしている。もし本作を入手することができたなら、新世界秩序、監獄制度、宗教と政治、移住労働者問題 (排除) などに対して、内面の闘争からファイトバックを呼び掛けるようなその長文の歌詞を読んでみてほしい。ちなみに、男性ヴォーカルのギタリストはポリティカル・オールドスクール・ハードコア "Highscore" のギタリストでもあった。また、女性ヴォーカルは現在 Six Year Plan で活動中 (Stonehenge の反セクシズム・コンピで聴くことができる)。ズバリな Maginal Man のカバー含む全11曲。

Scene Police


Year Released: 2003

No comments:

Post a Comment