旧ソ連・ベラルーシの DIYパンク/ハードコア・シーンというのはほとんど伝えられることがないが (政治や運動の状況も)、今回はその中でも精力的に活動している I Know というバンドを紹介したい。
このバンドは Antiglobalizator、Scum Out、Jiheart のヴォーカリストであった Dasha をフロントに配する4ピースのアナキストパンク・バンドだ。結成は2005年。現在までに、Rebel Scene から同郷の Bagna との split CD をリリースし、つい先日、フランスの Stonehenge Records から新作 "The End of Democracy" 10" をリリースしたばかりだ。その緊張感あふれるサウンドには東欧とくにポーランドあたりのメロディアスなアナーコパンク・バンドの影響があるが、もっとダークなクラスト色が濃い。その意味で、個人的にも初期 Ballast に一番近いのではないかと思う。興味を持ったパンクスはかれらの myspace をチェックしてみてほしい。
ベラルーシはヨーロッパにおける最後の独裁国家といわれている。人々は1994年の初当選以来、3選を果たし実に15年以上もの間大統領の座に居座り続けているルカシェンコ独裁政権の下にある。この国の体制は唯一の違いがあるにせよ、同じ企業新自由主義 (コーポレート・ネオリベラリズム) であり、政府が主要な企業である。国家からすれば自立・独立することを人々に教授できるので、小企業がないとの意味がそこにある。そうした状況下では、控え目にいっても、いかなる市民的イニシアチブによる最低生活も政府に援助されないという。また、100~200人のメンバーがいるすべての団体は民兵や KGB 管理の下で自動的に解散させられるという (つまり違法)。DIYパンク/ハードコア・シーンもいうにおよばずこの不平のなかに存在している。ちなみに、あるベラルーシのパンクスは「俺たち (パンクス) が比較的安全なところにいるのは分かっている。俺たちは殺されたり、拷問されたり、長期間投獄されたりすることさえない」といっていた。かれがまた「ビロードのような独裁体制」といっていたのが思い起こされる。だが、この I Know のような闘士の姿勢をとっているアナーコパンクスは地下でうじゃうじゃとうごめいているのだ。
I Know: www.myspace.com/iknowpunx
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