2019年1月にUS(北米)のDoomed To ExtinctionからリリースされたDeformed Existence - Hate With Patriotism "愛国心と結び付いた憎悪" cassetteのCDバージョンがAcclaim (Collective) よりリリース。
それぞれ、元Exithippiesで活動していた / 現Asocial Terror Fabricationで活動している新潟 / 東京のメンバーから構成される3ピースのクラストコア・バンドである。そのサウンドはとりわけUKのDOOM、あるいはHIATUS (Belgium)、EXCREMENT OF WAR (UK) を彷彿とさせる鬱屈とした空気に満ちた終始攻撃的なクラストコアだ。
この ”Hate With Patriotism" cassetteを初めて聴いたとき、久しぶりに「クラスト」から「緊張感」を感じたというか、私も90年代初頭にDOOM、あるいはHIATUS、EXCREMENT OF WARといったバンド(他にも沢山いるが)に魅了されたように、それはなぜかと考えたら、彼らが放っていた「鬱」の雰囲気だった。
というのは、(DIY) パンク/ハードコアにおける「クラスト」というジャンルもまた労働者階級文化全般の多くの局面の一つとして確立してきた経緯がある (ヒップホップやハウスと同じように)。資本主義は上流階級 (支配階級) のためにあるのであって、金持ちのゴミどもが陰で糸を操るという社会に対する反抗だったのである。
ただ、そうした社会における「未来」というのは「明」ではなく、「暗」を直視しなければ、その社会の本質 (仕組み) を理解することはできない。それこそが「クラスト」が追求してきた「鬱」だった。"「Peace」(平和) を求める前に、まずは「Class War 」(階級闘争) の地獄を見ろ"ということである。私もAcclaimをやるうえで、「鬱」は「希望」と共に常に重要視してきたし、「鬱」がなければ「希望」もないと思っている。
今回リリースするDeformed Existenceもまたその「雰囲気」を非常に大事にしているバンドだが、「クラスト」を追求しているがゆえに、自然と出てくる「雰囲気」の気もする。「追求」することはとことんかっこいいと思わせてくれるバンドだ。
タイトルとなっている ”Hate With Patriotism” は「愛国心と結び付いた憎悪」という意味である。バンドいわく「私達を取り巻くこの世界、そして身近なシーンでも起きている問題への抵抗の意思表示として題しました。」とのことだ。
全8曲(実質は7トラック)収録。紙ジャケット仕様。
2020年4月1日リリース。
CRUST from Niigata / Tokyo. The CD version of the “Hate With Patriotism” cassette (originally released by Doomed To Extinction from the U.S. / 2019). Out now on April 1, 2020.
*Doomed To Extinctionからリリースされたカセットと本作では、5曲目「Elitists (Who Spikes And Vivid」及び7曲目「War For Desire」が入れ替わっていますが、本作が正しい曲順になります。メンバーによれば、元々のカセットのプレスの際、なぜか入れ替わってしまったとのことです。
・DEFORMED EXISTENCE - Catastrophe / Merchant Of Death
on Acclaim Collective bandcamp
オーダーは「Acclaim Collective Web-Store」の商品ページへ:
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