2012/11/04

他人の不幸の上に成り立つ私たちの幸せ


原発に賛成する人たちは、たとえば国の安全保証のためだったり、生活の便利さや快適さのためだったりする。多くの人にこれだけの利益をもたらすのだから、原発は必要だと。しかし、そういう人たちには、実際に病気になった労働者たちの姿を見せて、「これがあなたたちが望んでいることなのか、多くの人の利益のために、これが必要だというのか」と問いたい。自分の幸福のために他人の不幸を必要とするのはおかしい。

他の人が快適に生活するための電力をつくりだす仕事をしている私たちがなぜガンになって苦しまなくてはならないのだ。他の人がよい生活を送るために、なぜ私たちが病気にならなくてはならないのだ。反原子力運動は、「自分たちが病気にならないために」闘うのではなく、「他の人が病気にならないために」闘うべきだ。そうしなければ自分たちのための闘いに勝てないのだから。原発の下請け労働者がガンになることを放置しておくような闘いは、自分たちの闘いでも勝てないだろう。

- フィリップ・ビラール (すべての原発下請け労働者の健康のための市民団体)

(「放射性肉」と呼ばれる人びとのたたかい - フランスの原発下請け労働者) 稲葉奈々子 『寄せ場NO.25』 掲載

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