2009/06/29

This Week's Recommendation from Acclaim Collective (A): Sharpeville - At the Late Hours LP

SHARPEVILLE - At the Late Hours LP

このフィンランドのバンド "Sharpeville" はとうに解散しているが、その独創性溢れるポリティカル・メタル・パンク・サウンドは類まれなものがあった。本作はそのことを如実に証明した2000年リリースのラスト・アルバム。リリースされた当時は本当にヘビーローテーションだった。しかし今聴いても驚愕の内容である。基礎にあるのは、ダークな 80's English Anarcho-Punk / Peace-Punk の潮流だが、各パートの強烈な個性が密度の濃いサウンドを構築し、「タイプ」を特定するのは困難。堅固なドラム、うねりまくるベース、叙情的なメタリック・ギターと、どのパートも躍動する生命力に溢れている。絶妙なアコースティックの導入も唸らずにいられない。さらに、展開も劇的極まりなく、その辺は初期 Amebix を思わせる。Neurosis ほど「現代的」ではないが、かれらとの共通点も多少見えるかもしれない。しかしながら、同じことを繰り返すようだが、ここに「模倣」はないと断言していい。男性ツインヴォーカルも「単独」「同時」「掛け合い」と多種多様な唄法。それらも一体となって、このサウンドを創作する。詩的で長い歌詞は、支配階級の「時間」ばかりを聞かされるこの世界における「新たな生と愛の創造」ーー言い換えるなら、それは「時間の再定義」をアルバム全体のテーマにしている。いわゆる「ーー反対」のような手法がまったくなく、個々人が様々な観点で自身と対峙できるように、徹底的に思索を試みた内容となっている。時計の刻む音と共に、闘う意志を知的に誘発させるオープニング・ナンバー "Hear What the Clock Says" (時計が示すものを聞け) にまずやられる。メンバーの一人はこのバンド解散後、Manifesto Jukebox で活動。他のメンバーは、Dead in the Water を結成した。


1. Hear What the Clock Says

2. The Doors That Opened Let in a Chill

3. The Wounds Aren't Going to Heal

4. We Continue Our Lives with Words Unspoken

5. They're Glad to Have Us All Lined Up

6. Masochists and the Golden Rule

7. Dance on Bridges of Fire

8. This is Natural and It Wouldn't Even Work

9. Fuck That Black and White Bullshit, There Are Alternatives Worth Trying!

10. Onward to the Dawning of Our Abundance


Hear What the Clock Says (時計が示すものを聞け)


賃貸しされる時間

それは一握りの人間どもがでっち上げた法律上の期間にすぎない

世界とは俺の血を白紙に描写し、愛を取り戻す挑戦の場だ

支配階級の中の自由

それはその答えを差し出すことを疑わないってことだ

責任転換によって成長する自意識は流産する

まき散らされる苦痛

おまえの時間を取り戻せ!

気をつけるんだ、鼓動することで!

俺たちに値するなにかを手にするつもりだ
よろしくな

- Sharpeville

Released by Maximum Voice (2000)

No comments:

Post a Comment