2014/07/18

Review: OI POLLOI / NIKMAT OLALIM split LP

OI POLLOI / NIKMAT OLALIM split LP 

共にヨーロッパ・ツアーを行った両バンド。Oi Polloi は、イスラエル・テルアビブのポリティカル・パンク /ハードコア・バンド "Nikmat Olalim" がスプリットの相手ということが多いに関係していると思うが、本作はいわゆる「イスラエルーパレスチナ情勢」に関する曲を全曲提供している。ジャケットにもイスラエル軍のメルカバ戦車に投石するパレスチナの子供を使用。全4曲のうちの3曲はスコットランド・ゲール語およびケルト語で唄われている。そういえば、かれらが以前発表した "Carson?" 7" は、全曲かれらの母国語のケルト語で唄われた「No More English Rules」をテーマにしたものだったが、今回のスプリットLPが「イスラエルーパレスチナ情勢」に照準を合わせたものということでピンときた人もいるかもしれない。唯一英語で唄われた「They Shoot Children - Don't They?」は、「イスラエルーパレスチナ情勢」と「Anti-Deutschen (Anti-Germans)」 との関係性について唄った曲。

かれらの今回の音源は、最近リリースされた "Mind The Bollocks" 7" と同時期に録音されたもので、最新アルバム "Ar Ceol's~" で見せたようなメロディックな要素を十分に取り入れつつ、初期のアグレッシヴさが戻ってきた感じだ。方や、Nikmat Olalim は、"Self Devouring Land" 7" から数曲およびオールド・ソングの再録曲で構成された全5曲。 80'sUKインフルエンスドなキャッチーかつシンガロングなパンク/ハードコア・サウンドで、屈折した部分も感じさせ、非常に独特な雰囲気を醸し出している。

ブックレットには、両バンドの歌詞、「イスラエルーパレスチナ情勢」に関連する基本的な情報から、詳細な情報まで所狭しと掲載。

最後に、この情勢に対する両バンドの見解への私自身の考えについて述べておきたい : とりあえず今回はこの程度の説明でとどめておく。なぜならこの情勢に関しては、あまりにも情報が多すぎるということもあるが、ブックレットに書かれた文章をほとんど読めてないからだ。そしてこの問題は民族間や人種間に大きな誤解をはらむ危険性があるため発言には慎重にならざるを得ない。ただ一つこの問題に対する私自身の考えを述べるとすれば、私はある特定の民族や人種に反対するのではなく、抑圧や侵略を行使する機構それ自体に反対する (したい) ということだろうか。

事実、私はイスラエル政府には反対するが、イスラエル人のバンドであるこの Nikmat Olalim をサポートしている。

Campary Records

Year Released: 2006

Reviewed by Kazu / Acclaim Collective (A) (2007)

*約7年前に書いたものですが、今回の更新にあたり多少加筆・改編しました。私の考えは当時のそのままを掲載してます。

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