2011/01/28

Review: Ballast - s/t EP

BALLAST - s/t EP

現在は Preying Hands として精力的に活動中──その母体となったバンドがこのカナダの Ballast である。このバンドも日本で人気を博したのでいちいち説明するまでもないだろう。デビュー・シングルとなる本作はバンド自身によってリリースされたもので、プレス枚数も少数だし、これを手にしている人は非常に少ないかもしれない。けれども機会があればぜひ聞いてほしい。言うなれば本作は、Tragedy 影響下のダーク・メロディック・クラストが次々と出現した2000年以降の最盛期のなかで、Post Regiment や Lost World などのヨーロピアン・アナ-コパンク・バンドの要素を核としつつその時代性をもうまく取り込んだ名作と言える。つまりこんなバンド聞いたことなかったのだ。私的に Ballast はより Post Regiment 色を高める後期よりも Profane Existence からリリースされた1stアルバム "Sound Asleep" なんだけど、本作に感動を覚えればそれも自分でうなずける (まあでもなんだかんだ例えをだしても Ballast は Ballast でしかないな)。リリースされた当時はほんとヘヴィ・ローテーションだった。しかしこの頃の彼らは活動したての荒々しさが前面に出ていて、実に生々しいかぎりだ。そしてメイン・ヴォーカルの Spoke とドラム/ヴォーカルの Dave の掛け合いの素晴らしさもこの頃から。メロディアス&エモーショナル&へヴィ。現在も続く「あの戦争」を中心にコンセプトした歌詞も思慮深くリアルだ。ちなみに Stonehenge からリリースされた同タイトルのセカンド・シングルは本作と同セッション。このセカンド・シングルはまだ入手可能なので、初期の彼らに触れたいならぜひ入手してみてほしい。

Fortress North America (要塞北アメリカ)

要塞を強化するんだ

要塞を起こすんだ

要塞北アメリカさ、だったら要塞を崩壊させるんだ

要塞を完全に破壊するんだ
自由を放棄している要塞北アメリカが人命を救うわきゃない
さらに民衆が殺されるだけ
セキュリティなんか公共政策の幻滅を静めるだけの幻想さ

奴らは最初から承認なんてしてなかった

かつて同盟国だった「テロリストたち」が、
「我々の仲間」だったとき自由の戦士は脱線した

さらに人命を要求する時間だったってこと

退屈な生涯、私たちが見るテレビ、

そしてウソのぬかるみの中で私たちはただ信じたふり

そんなレンズに従って、私たちはみなそう見ていきます

だから奴らが死ねば奴らはただ消えうせるんだ

お前は正義と話す

誰の正義なの?
あきらかに暴露された帝国のため、それとも残された世界のため?


Ballast Records

Year Released: 2004

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